高校3年間、全力で部活をやってました。朝から晩までほとんど休みなく。部活はぼくにとっての最大の楽しみだったわけです。そのおかげでインターハイにも出場できたんだけどね!

そんな部活を引退したら燃え尽き症候群にもなりますよ!放たれた犬のようにあっちいったりこっちいったりしてました。 それはそれで楽しかったです。毎日腹が崩壊するほど笑ってました。しかし、受験の影は重くのしかかってくるわけですよ。。すでに2年生の後半からのしかかってきてたわけですが、気にも留めてませんでした。笑

さーて、勉強しようか!と思い立ったのが冬休み。センター試験1ヶ月前ですね。ぼくは経済的な事情で国公立しか考えてなかったので、センター試験の5教科7科目→2次試験をどう切り抜けるか。短期の集中力とヤマはりは得意だったので、この1ヶ月は面白いほど成績が伸びました。『この調子だと、志望大学いけるんじゃ!?』と本気で思ってました。

ぼくはこともあろうに獣医を目指してたので、獣医学部・学科のある国公立大学ならどこでも良かったのですが、どこにいくにも針の穴に入るほどの難しさなんです。ご存じの方もいるとおもいますが、医学部に入るより難しいともいわれてます。そもそも志望する学生の数に見合った大学数がないせいなんですが...。そのくらい不可能に近い挑戦だったのです。

結果的に、センター試験では7割ちょっとしかとれず...これは2次試験で挽回できる点数でもないので、 学内編入を狙って(これは先生の甘いささやき。編入はかなり難易度大)帯広畜産大学の畜産学科に進路を変更。問題なく合格しました。

...しかし、ぼくは『とりあえず大学へ』という考え方はできず。『大学行っとけばなんとかなる』的なことが、すごーく違和感でした。普通に4大にいって、それなりの勉強をして、それなりの仕事について...。あぁ、なんか行き先が見えてしまってる。だれかが敷いた古びたレールだ。と生意気にも思ったのです。「大人の言ってることってすごく矛盾してる」とも思いましたね。大学行ったからって、好きな仕事ができたり楽しい人生が送れるなんてことはないのは周りの大人を見ればはっきりとわかること。そういう真実を隠して大学大学言われることがたまらなく嫌でした。GID(性同一性障害)の治療についての不安もあったのですが、それはまた別記事で!

とにかく、ぼくは帯畜大の合格を蹴りました。晴れて浪人生!!花の浪人生!笑
経済的に年間通しての予備校のコースには通えないので、バイトしながら単科の講義をとってました。予備校時代は、新しい友だちもできたりはじめてバイトしたり、刺激的な講師の先生も多くて楽しかったな〜。 高校を卒業して、自分の世界が少しだけ広がった経験です。

一浪の年は、センターで失敗をして前年と同じくらいでした。。なのでまた進路を変更して農学部へ。これについてはぼくはもう納得してて、獣医になれなくてもなにか自然や環境と関われたらと考えてました。しかし結果はどこも不合格。ギリギリのところで落とされてました。ため息。

二浪目突入。二浪となると浪人仲間もがくんと減ります。そしてほとんどが医学部とかを目指す人たち。話は少しズレますけど、予備校でみた医学部志望の人たちって『えっ!?大丈夫?それで医者めざしちゃう?』ってひとが多数いました。人間的にどうなの...?みたいな。ぼくが言える立場でもないんですが、本当に。医学部こそ面接をきっちり行うべきじゃないですかね。正直、あんな人たちに診てもらうことを考えると恐ろしいっす。。

二浪目はですね、ほぼ勉強してなかったですね。集中できなかった。GID関連のことでとっても落ち込みがありましたし、家族との関係も最悪でした。たぶんこの時期に軽い鬱がはじまりました。『家から出られれば...』という希望だけ。大学とか行っとけばみんな満足するんなら満足させてあげましょう的な投げやり感があった気がします。それでも割り箸ほどの細さの信念も貫きたかったので信州大学の農学部に出願。後期で合格。

ここでぼくの浪人生活は幕をとじました。


浪人してて感じたのは『社会の圧力ってすごいな』ということ。大学に行かなければ、勉強しなければ、あなたたちは社会不適合者ですよ!!という確かな重圧を感じました。将来なにになりたいかよりも、どこの大学に行くか。好きなことはなにかよりも、好きな勉強はなにか。その圧力によって自分を見失うんですよね。自分が心から好き・楽しいと感じることにアクセスできなくなるんです。勉強していい大学に行かなければ、自分の人生が見出されない気がしてくるんです。そりゃ欝にもなりますよ。

恐ろしいですよね。
ビジョンがあって、やりたいこともあって大学を選択すべきですよね。でも10代そこらでビジョンがある人間なんてあんまりいないっす。ほとんどが家族や先生や友だちからの言葉が、無意識に自分の思考と結ばれてしまってたりします。『自分はこういう人間だ』と決めてしまってる。そしていつか、そういう自分でいられないことに気づいて罪悪感でいっぱいになってしまうんです。

本当に大切なことは、もっともっと自分の心と対話することなんですよね。ようはひとりで考える。感じる。森に行ってもいいし海に行ってもいい。静かな場所で、好きなことや心が弾むことに集中する。だれかのために、ではなくて自分のための人生を思い描く。10年後にどこでどんなひとと何をしながら笑ってるだろうか?ある意味妄想でもいいですよ。

もっともっと妄想を広げるんです!自分が最高だ、大好きだと思える人生を妄想する。お金も評価も地位もまったく考えなくていい、自分だけのパーフェクライフを。


凝り固まってると、たくさんそういう時間をもっても思い描けなかったりします。ぼくもそうです。そういうときは、なにもしないことですね!1週間くらい予定0で過ごす。友だちとも会わないこと。最初の3日くらいはずっと寝てられるんだけど、後半はウズウズしてくるはずです。『何かしたい、でも何をしたらいいかわからない』って状態になったらもうちょっとです!時間がないとできないと思ってたことをやっちゃいましょう。バスで県内をまわるとか、自転車で山に行くとか、ずっと見たかった建築を見に行くとか...。そういった欲求を少しずつ解放させていくと、いつかきっと自分の心震えることを再発見できるはずです。急がないことですね。


話がそれましたが、ぼくは浪人時代をムダだとは決して思ってなくて、むしろストレートで大学に行ってたら出会えなかったひとや世界ばっかりでした。思考する時間もたくさんありました。がむしゃらに社会や大人に反抗してた時期ですね。自分のことが見えずに苦しかったです。上に書いた自分の心に触れる方法をあの時知ってたら...とは思いますが、苦しいことが悪いことではないですしね。暗闇を知っていれば、光の尊さがわかるってもんです。


『とりあえず大学へ』...で大学に行くくらいなら、浪人したほうがマシです。それか1年くらい旅にでもでてください。そのほうが人生が豊かになります。大学は行きたいと強く思ったときに行けばいいですよ。まじで。  


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